建物や備品を購入した場合の経費算入(減価償却資産の取扱い)について


はじめに

 事業を営む際、我々のような士業の場合には、机や椅子、パソコン、コピー機、電話機、応接テーブルが必要となり、飲食店を営むのであればガスレンジや冷蔵庫、調理器具などの厨房機器が必要となってきます。それぞれの業種に応じた設備を備える必要があると思います。これらの設備について、税法上どのようり取り扱えば良いのでしょうか?




1.減価償却資産とは

 事業を行うための建物や建物附属設備、事業を行う際に使用する機械装置や器具備品、車両運搬具などは一般的には、時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。

 

(所得税法2条19項、所得税法施行令6条)

2.減価償却資産の所得税法上の取り扱い

減価償却資産の原則的な取扱い

 取得した資産が減価償却資産に該当する場合には、原則として、取得金額の全額が、事業の用に供した日の属する年分の必要経費に算入されるのではなく、使用可能期間に渡って、ある方法に基づいて分割して費用化されていきます。

 

(所得税法49条、所得税法施行令120条、120条の2ほか)

減価償却の対象とされないもの

取得価額が10万円未満である場合

 減価償却資産に該当することとなった場合には、原則として全額が一時の費用として必要な経費に算入されず、分割して費用化されていくこととなりますが、事業の用に供した減価償却資産が、次のいずれかに該当する場合には、減価償却の対象とされず、業務の用に供した年分の必要な経費に算入されることとなります。

 ・取得価額が10万円未満であること

 ・使用可能期間が1年未満であること

 

(所得税法施行令138条)

取得価額が20万円未満である場合

 取得価額が20万円であるものについて、業務の用に供した年以後3年間の各年の費用の額とする方法を選択したときは、取得価額を3で割った金額が、業務の用に供した年以後3年間の必要な経費に算入されます。例えば、18万円の減価償却資産を購入し、この規定を適用しようとする場合、1年目6万円、2年目6万円、3年目6万円が必要な経費に算入されることとなります。(※確定申告書に一定の書類を添付する必要があります。)

 

(所得税法施行令139条)

青色申告書を提出する中小事業者の場合

 青色申告書を提出する中小事業者が取得した減価償却資産で、その取得価額が30万円未満であるものについては、業務の用に供した年分の必要な経費に算入することが出来ます。

 なお、必要な経費に算入できる金額は、その取得価額の合計額が年間300万円に達するまでの金額です。(※確定申告書に一定の書類を添付する必要があります。)

 

(租税特別措置法28条の2)


最後に

 上記を纏めると次のような表になります(使用可能期間1年以上の場合)。

 「中小事業者の少額償却資産」は、租税特別措置法に定められている規定で、時限立法というもので、適用できる期限(令和4年3月31日取得分まで適用)がありますのでご注意ください。

 また、所得税法上に規定されている「少額の償却資産」「一括償却資産」は、償却資産税の対象となりませんが、租税特別措置法に規定されている「中小事業者の少額償却資産」については、償却資産税の対象となりますので、ご注意ください。